snowy rainのブログ

あとどれくらいかな

あの日

息子の会社から連絡が来た


今日無断欠勤で連絡がないとの事


自宅に行っても居ないとの事


探しに行かなくちゃ


まず一人暮らしの部屋へ


でも引っ越したばかりで合鍵がない


その日は珍しく大雪が降り


通行止めの道ばかり


途中から電車に乗り


合鍵を取りに行った


やっと息子の部屋に入ったら


全てやりっぱなし


ご飯も保温しっぱなし


戻ってくる気満々の部屋だった


会社からの車はない


息子が車を止めるはずの駐車場は


雪掻きで山になっていた


友達から


最後は場所で


と聞いて警察も動いていた


欄干に


息子の仕事のジャンパーが。


飛び降りた時


ジャンパーが脱げたんだ


寒かろうに


息子は4日間も水の中にいた


冷たい冷たい水の中で


引き上げられた時


私達はいなかった


でも


警察署で面会した時


髪の毛は濡れていた


びちょびちょで寒そうだった


不思議ととっさに温めなくちゃと


首元や顔に手を覆った


どうして?


どうして生きることを


諦めてしまったの


怖くなかったんだ


そんな高いところから


飛び降りるの怖くなかったんだ


自由になれると思ったんだ


今だって


話したいことたくさんあるし


私の手元に置いておけば良かったのかな


それでも死にたいと思ったかな


ごめんね


せっかく生まれてきたのに


捨ててもいいような人生を


歩ませていたんだね


ごめんなさい


守ってやれなかった


もっともっと大切にするべきだった


私は


あなたを殺したんだね


私のせいだ


私は人殺しだ


なのに


まだ生きていてごめんなさい

4年

息子の命日


仕事をズル休みした


好きだったオムライスを作り


お墓参りをしていたら姉達が来てくれた


ありがたい


次の日花が増えていた


1週間後ワインとチョコが置いてあった


誰だろう


でも覚えていてくれているんだ


私達の他にも


息子の事を思い出してくれている人が


いるんだ


泣けてくる…


誰かの心の中で息子は生きている




部屋…


片付けなきゃと思いながら


4年間そのままだ


空気の抜けた自転車


水筒もそのまま


バイトの服が入りっぱなしのリュック


仕事で持ち歩いていたカバン


趣味のプラモデルの数々


居なくなった時に机の上にあったもの


いつも着ていたお気に入りコーデの服



どうしたらいいんだろうね


動画もあるけど


見れない




まだ受け入れたくないんだ


冷たくなった顔も


焼けてしまった体も


目に焼き付いているのに


でも


まだどこかで


生きている気がして


会ったら何話そう


一緒に何しよう


まだそんな事思ってる自分がいて



馬鹿だね


どうかしてる



でもだから


毎日過ごせてるのかな


こんな薄情だから


生きていけるのかな



やっぱり


私達家族は4人だ


諦めきれない

あぁ…逢いたい

なんでだよ。


逢いたいよ。


どんな人生だって


生きててほしいんだよ


わたしが逝く時に


手を握って


欲しかったんだよ


逢いたいよ


逢いたいよ